Performance For Life
人生100年時代の
パフォーマンス・
メンテナンス
自律神経と血流に着目した
「ストレスフリー療法」による医療アプローチ

The Hidden Cause
このような不調はありませんか?
常に「闘争・逃走反応」が働き、リラックスできない状態。血管が収縮し、全身の血流が遮断されています。
高血圧や血糖値の上昇。
「薬を飲んでいるから大丈夫」と、根本原因を放置していませんか?
脳への血流不足(酸欠)は「ブレイン・フォグ」を招き、経営判断に必要な直感力や決断力を奪います。
About Stress-Free Therapy
当院は「ストレスフリー療法」を提供しています。
ストレスフリー療法とは、身体の4点に心地よい赤外線刺激を与える、独自の温熱アプローチです。
特許取得済みの精密な温度制御により、効率よく血行を促進。副作用のリスクを抑え、日常のストレスで緊張した心身を優しく解きほぐします。
48℃未満の心地よい刺激が、効率的に血流を促し、深いリラックス状態へと導きます。銀座の落ち着いた空間で、身体への負担を抑えた科学的なアプローチをご提供します。



ストレスフリー療法は、独自の温熱周波数により深部体温を上げ、自律神経に直接アプローチする方法です。ただ温めるだけではない、3つの生理学的反応を引き起こします。
心地よい温熱刺激で身体を芯から温め、滞りがちな血行を促進して、冷えによる悩みや毎日のコンディションを整えます。
独自の温熱リズムが日々のストレスで張り詰めた心身の緊張を優しくほぐし、深いリラックス状態へと導きます。
患部や特定のポイントを温めることで、日頃の活動で蓄積した筋肉の疲れを和らげ、身体のこりを健やかにほぐします。
Our Strengths
| ストレスフリー療法 | 再生療法 | 高級スパ・整体 | |
|---|---|---|---|
| アプローチ | 血流・神経(根本改善) | 細胞レベル | 筋肉・表層 |
| リスク | 極小 | 身体的負担あり | ほぼなし |
| 心理的面 | 日常的なメンテナンス | 最後の一手 | ご褒美・癒やし |
STRENGTHS
Treatment Guidelines
現代社会のストレスフルな環境にさらされ続けることで慢性的に分泌されるコルチゾール(ストレスホルモンの一つ)の低下を促し、体の不調の根本原因へのアプローチを目指す。
全身の血流量の増幅を促し、体内の37兆個の細胞一つ一つをくまなく活性化し、自己治癒力を最大限引き出すことを目指す。
加齢とともに減少する成長ホルモンの体内からの分泌力を再生し、代謝・免疫・認知機能の復調を目指す。
エストロゲン・テストステロンといった性ホルモンの体内からの分泌を促し、血管・脳・骨・筋肉・皮膚へのホルモン本来の保護作用の復活を目指す。
抗炎症サイトカインであるIL-10の産生を促し、老化の原因である慢性炎症をはじめとする体内の炎症の駆逐を目指す。
体内の1京個のミトコンドリアの機能の正常化を促し、活性酸素の発生を減じ、炎症性老化の抑制を目指す。
複合的・総合的なアプローチの積み重ねにより、テロメアの短縮抑制や細胞の老化時計を巻き戻すことで、遺伝子レベルでの生物学的年齢の若返りの実現を目指す。
Treatment Guidelines
MASSAGE

東日本大震災をきっかけに、厳しい寒さの中で人が置かれる身体的負担と向き合い、体温や代謝が生命活動に与える影響を深く見つめ直しました。
そこから、身体に過度な負担をかけないケアの研究が始まりました。
生命倫理委員会の指針に基づき、独自の呼吸法と温熱刺激による心身への影響を科学的に検証。
最小限の刺激で深いリラックスをもたらす、科学的根拠に基づいた温熱療法を、銀座から丁寧に提供してまいります。
KENJI RYOTOKUZI
了徳寺 健二

ストレスフリー療法と出会い、その効果に強い可能性を感じました。
身体への負担を抑えながら、本来の状態へと整えていく——その考え方に深く共感しています。
この療法を、必要としている方にきちんと届けたい。
その想いから、2023年4月より銀座数寄屋橋クリニックにて、
ストレスフリー療法に特化した診療を行っています。
日々忙しく、自身のケアが後回しになりがちな方こそ、
安心して身を委ねられる時間と環境を大切にしたい。
銀座という場所から、誠実な医療のかたちを提供してまいります。
TAKUNORI SATO
佐藤 琢紀

Clinic Information/Access
〒104-0061
東京都中央区銀座4-2-12 銀座クリスタルビル7F

Blog
老化の科学では、体の老化を進める二つの大きな現象がよく語られます。一つは「酸化」、もう一つが「糖化」です。 酸化が、鉄がさびていくような「体のサビ」だとすれば、糖化は、こんがりと焼き色がつくような「体のコゲ」にたとえられます。近年、この糖化が、肌や血管の老化と深く関わるものとして注目されています。 この記事では、糖化とは何か、それによってできる「AGEs(糖化最終生成物)」が体にどう影響するのか、そして糖化を防ぐために日々できる工夫を、できるだけわかりやすく解説します。 糖化とは——体の「コゲ」 糖化とは、体の中で余ってしまった糖が、たんぱく質などと結びついてしまう現象です。 ホットケーキを焼くと、こんがりとした茶色い焼き色がつきます。あれは、材料に含まれる糖とたんぱく質が熱で結びついて起きる反応で、まさに「糖化」の身近な例です。同じようなことが、体温という穏やかな温度のもとで、私たちの体の中でもゆっくりと進んでいきます。 血糖値が高い状態が続いたり、血糖値の急な上昇がくり返されたりすると、この糖化が進みやすくなると考えられています。 AGEs(糖化最終生成物)が体にたまると 糖化が進んだ結果としてできる、いわば「コゲの最終形」が、AGEs(エージーイー、糖化最終生成物)と呼ばれる物質です。 AGEsの厄介な点は、いったんできると分解されにくく、体の組織に少しずつ蓄積していくことです。とくに、肌や血管、骨などに多く含まれる「コラーゲン」というたんぱく質にたまりやすいとされています。 コラーゲンは、本来しなやかで弾力のある組織です。そこにAGEsがたまると、コラーゲン同士がこわばって結びつき、弾力が失われていくと考えられています。 糖化と「見た目」の老化 肌の弾力やハリは、土台にあるコラーゲンに支えられています。ここに糖化が進むと、ハリの低下やしわ、そして肌が黄ばんでくすんで見える「黄ぐすみ」といった変化につながると考えられています。 「同じ年齢でも、肌の印象が違う」という背景の一つに、こうした糖化の進み具合があるのではないか、と研究の世界では議論されています。もちろん見た目の老化の要因は糖化だけではありませんが、ふだんの食生活が肌の印象に関わりうる、という視点は知っておく価値があります。 糖化と血管・全身 糖化の影響は、見た目だけにとどまりません。血管の壁にもコラーゲンが含まれており、糖化が進むと血管がしなやかさを失い、こわばっていく方向にはたらくと考えられています。 とくに、極端に細い毛細血管は、こうしたダメージの影響を受けやすいとされています。毛細血管が傷み、巡りを失っていく「ゴースト血管」の話とも重なるテーマです(くわしくはゴースト血管をご覧ください)。 さらに、AGEsは体の中でくすぶる炎症を促す方向にもはたらくと指摘されています。この「慢性炎症」と老化の関係については慢性炎症と老化(インフラメイジング)で解説しています。糖化・炎症・血管の老化は、たがいに結びつきながら進んでいくと考えられています。 糖化を防ぐ生活習慣の視点 「では甘いものを一切やめなければ」と思われるかもしれませんが、そこまで極端に考える必要はありません。鍵になるのは、血糖値を急に上げすぎないという発想です。研究で言われている方向性をいくつか挙げます。 食べる順番を工夫する:野菜やたんぱく質から先に食べ、糖質を後にすると、血糖値の急上昇をゆるやかにできると言われています ゆっくり、よく噛んで食べる:早食いは血糖値を急に上げやすいとされています 食後に軽く体を動かす:食後の散歩などは、血糖値の上昇をなだらかにする方向にはたらきます こげた食品のとりすぎに注意する:高温で焼いたりこがしたりした食品にはAGEsが多く含まれるとされ、調理法を「焼く・揚げる」に偏らせない工夫も一つの考え方です 睡眠と禁煙:いずれも糖化・老化の土台に関わると考えられています 特別な近道があるわけではなく、結局は「血糖値とうまく付き合う食べ方」に行き着く、というのが正直なところです。 救急医の視点から——「急な高血糖」と「静かな糖化」 私は銀座数寄屋橋クリニックの院長を務める前、約20年にわたり国立の医療機関で救急医として勤務し、延べ約36,000人の患者さんの診療にあたってきました。 救急の現場では、血糖値が極端に高くなって意識に影響が及ぶような、急性の高血糖の状態に向き合うことがあります。血糖のコントロールが体にとっていかに大切かを、私は現場で繰り返し実感してきました。 一方で、ここでお話ししている糖化は、そうした急変とは対照的に、何年、何十年という時間をかけて、静かに進んでいく現象です。痛みも自覚もないまま進むからこそ、日々の食べ方という小さな積み重ねが、長い目で見て効いてくるのだと考えています。 まとめ 糖化は、余分な糖がたんぱく質と結びつく「体のコゲ」で、その最終形がAGEs(糖化最終生成物)です。 AGEsはコラーゲンにたまり、肌のハリの低下や黄ぐすみ、血管のこわばりといった老化と関わると考えられています。 「血糖値を急に上げない食べ方」(食べる順番・よく噛む・食後の運動など)が、糖化を防ぐ土台になります。 食べ方という土台が大切であることは、研究でもくり返し示されています。とはいえ、忙しい毎日のなかでそれを続けるのは、思いのほか難しいものです。 だからこそ医学・科学は、糖化・炎症・血管の老化という、たがいに結びついた流れを、どうすれば穏やかに保てるかを模索し続けています。当院が行うストレスフリー療法は糖化そのものを対象とする治療ではありませんが、血流や慢性炎症といった、老化に関わる体の土台を整えることを目指す取り組みです(研究知見にもとづくもので、はたらき方には個人差があります)。その科学的な考え方についてはストレスと老化の科学で解説しています。あわせて老化時計とはもご覧ください。 体の老化の土台づくりにご関心のある方は、当院のメニュー・料金ページもあわせてご覧ください。 よくある質問 Q. 糖化と酸化は、どう違うのですか?A. 酸化は「体のサビ」、糖化は「体のコゲ」とたとえられます。どちらも老化に関わる現象で、たがいに影響し合うと考えられています。片方だけでなく、両方を意識した生活習慣が土台になります。 Q. 甘いものを食べると糖化してしまうのですか?A. 鍵になるのは「血糖値を急に上げすぎないこと」です。甘いものを完全にやめる必要はなく、食べる順番や量、食べ方を工夫することが現実的だと考えられています。 Q. 糖化の程度は測れるのですか?A. 肌などからAGEsの蓄積を推定しようとする方法が研究されており、一部の機器も登場していますが、広く確立した一般的な指標とまではいえず、発展段階にあります。気になる場合は、まず血糖値の管理を基本に考えるとよいでしょう。 本記事は健康に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の検査・治療の効果を保証するものではありません。研究知見には今後の検証が必要な発展段階のものが含まれます。体の状態には個人差があります。
「しっかり寝たはずなのに、朝から体が重い」「7時間、8時間と眠っても、日中の疲れがとれない」——こうした感覚に心当たりのある方は、決して少なくありません。 ここで見落とされがちなのが、睡眠は「時間(量)」だけでなく「質」が大切だということです。同じ時間眠っても、深く休めているかどうかで、翌朝の回復はまるで違ってきます。 この記事では、眠っている間に体で何が起きているのか、なぜ「寝ても疲れがとれない」状態が生まれるのかを、睡眠の質・自律神経・血流という3つの視点から解説します。 「時間」は足りているのに、なぜ疲れがとれないのか 睡眠には、浅い眠りと深い眠りがあり、これが一晩のうちに周期的にくり返されています。体と脳がしっかり休まり、回復が進むのは、主に深い眠りの時間です。 ところが、ベッドにいる時間は足りていても、この深い眠りが十分にとれていないと、「眠ったのに休めていない」という状態が起こります。これが、「寝ても疲れがとれない」の正体の一つです。 リラクゼーションやマッサージで一時的に楽になっても、またすぐ疲れが戻ってくる——そう感じる方も多いと思います。その場の対処ももちろん大切ですが、根本には「夜のあいだに体がきちんと回復モードに入れているか」という土台の問題が隠れていることがあります。 眠っている間に、体で起きていること 質のよい睡眠がとれているとき、体の中では回復のための作業が静かに進んでいます。 夜、深く眠りに入ると、体は「休息モード」に切り替わり、心拍はゆるやかに、血管はひらいて、全身に血液が巡りやすくなります。この巡りに乗って、酸素と栄養が細胞のすみずみまで届けられ、日中に受けたダメージの修復が進みます。 つまり、夜は体にとっての「メンテナンスの時間」です。この時間がうまく機能しないと、いくら横になっていても、疲れは持ち越されてしまいます。 自律神経と睡眠——「休息モード」に切り替われない 体を「活動モード」と「休息モード」に切り替えているのが、自律神経です。日中は活動モード(交感神経)が優位に、夜は休息モード(副交感神経)が優位になるのが本来のリズムです。 ところが、強いストレスや不規則な生活が続くと、夜になっても活動モードのスイッチが切れにくくなります。すると、体は緊張したまま眠りに入ろうとし、血管も縮みがちで、眠りが浅くなってしまいます。「布団に入っても頭が冴えてしまう」「眠りが浅くて何度も目が覚める」といった状態は、この切り替えのつまずきと関わっていると考えられています。自律神経のリズムについては自律神経を整えるでくわしく触れています。 成長ホルモンと睡眠——「回復のホルモン」は眠りの深さで決まる 体の修復に深く関わるのが、成長ホルモンです。これは子どもの成長だけでなく、大人になってからも、傷んだ組織の修復や疲労の回復にはたらく「回復のホルモン」です。 大切なのは順番です。よく眠るから成長ホルモンが出るのであって、その逆ではありません。成長ホルモンは、眠りはじめの深い睡眠のときにまとまって分泌されることが知られています。つまり、寝つきの最初の深い眠りを確保できるかどうかが、夜の回復力を左右します。加齢とともにこの分泌は自然にゆるやかになりますが、その点は成長ホルモンと加齢で解説しています。 血流という土台 夜の回復が、血液に乗って届く酸素と栄養に支えられている以上、「血流」もまた見落とせない土台です。 体が冷えていたり、末梢の巡りが滞っていたりすると、せっかくの休息モードでも、修復の材料が細胞まで十分に届きません。「手足が冷たくて寝つけない」という経験は、巡りと眠りのつながりを物語っています。冷えと血流については低体温が招く不調もあわせてご覧ください。 睡眠の質を高める生活習慣の視点 夜の回復力を支えるために、研究で言われている方向性をいくつか挙げます。 朝、光を浴びる:朝の光は体内時計を整え、夜の自然な眠けにつながります 就寝前のスマホ・強い光を控える:休息モードへの切り替えを妨げにくくします 入浴で体を温める:就寝の少し前に湯船で温まり、その後に体温が下がっていく流れが、スムーズな入眠を助けると言われています カフェイン・アルコールに注意する:夕方以降のカフェインや、寝酒は、眠りを浅くする方向にはたらきます 起きる時間を一定にする:リズムの土台は、寝る時間よりも「起きる時間」をそろえることだと考えられています 「眠っても回復しない」を医療の視点から——救急医として 私は銀座数寄屋橋クリニックの院長を務める前、約20年にわたり国立の医療機関で救急医として勤務し、延べ約36,000人の患者さんの診療にあたってきました。 その経験から一つお伝えしたいのは、「強い疲れやだるさが長く続くとき、その背後に病気が隠れていることがある」ということです。睡眠時無呼吸、甲状腺の病気、貧血、気持ちの落ち込み(うつ)など、休んでも回復しない疲労の陰には、対処すべき原因がひそんでいる場合があります。 ですから、「ただの疲れ」と決めつけずに、必要なときはきちんと調べることが大切です。そのうえで、明らかな病気が見当たらない場合に、自律神経や血流といった「夜の回復の土台」を整えていく——という順序で考えるのが、安全で確実だと考えています。 まとめ 「寝ても疲れがとれない」の背景には、睡眠の「時間」より「質」の問題が隠れていることがあります。 夜は体の「メンテナンスの時間」で、副交感神経が優位になり、血流に乗って修復が進みます。よく眠るからこそ、回復のホルモンである成長ホルモンが分泌されます。 朝の光・入浴・一定の起床時間といった生活習慣が、眠りの質を支える土台になります。 生活習慣が土台であることは、研究でもくり返し示されています。とはいえ、わかっていても、緊張を解いて深く眠ることが難しい——そう感じておられる方は多いはずです。 だからこそ医学・科学は、「夜の回復モードへの切り替えを、どうすれば無理なく支えられるか」を模索し続けています。当院が行うストレスフリー療法も、穏やかな温熱刺激を通じて休息モード(副交感神経)が優位になりやすい状態と末梢の血流を高めることを目指す取り組みの一つです(研究知見にもとづくもので、はたらき方には個人差があります)。その科学的な考え方についてはストレスと老化の科学で解説しています。 夜の回復の土台づくりにご関心のある方は、当院のメニュー・料金ページもあわせてご覧ください。 よくある質問 Q. 何時間眠れば十分なのですか?A. 必要な睡眠時間には個人差があり、一般には7時間前後が一つの目安とされますが、何より「日中に眠けや強い疲れを持ち越さないか」が大切です。時間だけでなく、深く眠れているかという質の視点をもつとよいと考えられています。 Q. 寝ても疲れがとれないのは病気ですか?A. 多くは生活習慣や自律神経の乱れと関わりますが、睡眠時無呼吸・甲状腺の病気・貧血・気持ちの落ち込みなどが隠れていることもあります。強い疲れが長く続く、いびきや日中の強い眠けがある、といった場合は、まずはかかりつけ医にご相談ください。 Q. 昼寝はしたほうがよいですか?A. 20分ほどの短い昼寝は、日中の眠けをやわらげるのに役立つと言われています。ただし、長すぎる昼寝や夕方以降の仮眠は、夜の眠りを妨げることがあるため注意が必要です。 本記事は健康に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の検査・治療の効果を保証するものではありません。研究知見には今後の検証が必要な発展段階のものが含まれます。体の状態には個人差があります。
「手足がいつも冷たい」「肌のくすみやハリのなさが気になる」「以前より疲れやすい」——年齢を重ねるなかで感じるこうした変化の背景には、体の「巡り」をめぐる、ある静かな問題が隠れていることがあります。 その主役は、心臓から伸びる太い血管ではありません。全身のすみずみに張りめぐらされた、髪の毛よりもはるかに細い「毛細血管」です。 近年、この毛細血管が加齢とともに血流を失い、ぬけがらのようになってしまう現象が「ゴースト血管」と呼ばれ、注目されています。この記事では、毛細血管とはそもそも何なのか、なぜ「ゴースト化」するのか、そしてそれを保つために何ができるのかを、できるだけわかりやすく解説します。 毛細血管とは——全身をめぐる「最後の一区間」 血管というと、心臓から勢いよく血液を送り出す動脈や、それを戻す静脈を思い浮かべる方が多いかもしれません。けれども、本数でいえば、血管の大半を占めているのは毛細血管です。全身の血管をつなげると、その長さは地球を何周もするほどといわれるほどで、その大部分が毛細血管だと考えられています。 毛細血管は、動脈と静脈をつなぐ「最後の一区間」です。直径は赤血球がようやく一列で通れるほどしかなく、その極端に薄い壁を通して、酸素と栄養を細胞へ手渡し、かわりに二酸化炭素や老廃物を受け取っています。 つまり、太い血管がいくら元気でも、最終的に細胞へ酸素と栄養を届けているのは毛細血管です。ここがうまく働かなければ、その先の細胞は「物流が止まった町」のように、少しずつ元気を失っていきます。 「ゴースト血管」とは何か 毛細血管の壁は、内側を覆う細胞(内皮細胞)と、それを外から支える細胞(周皮細胞)が、よりそうようにして保たれています。日本の血管研究から提唱された「ゴースト血管」という言葉は、この支え合いがゆるみ、血液がにじみ出て、やがて血流が途絶えてしまった毛細血管を指します。 血管の「形」だけは残っているのに、血液が流れていない——だから「ゴースト(ぬけがら)」と呼ばれるわけです。流れが止まった毛細血管は、酸素も栄養も運べません。その状態が続くと、血管そのものが少しずつ消えていくと考えられています。 大切なのは、これが特別な病気というより、加齢や生活習慣のなかで誰にでも少しずつ起こりうる変化だという点です。 なぜ毛細血管は減るのか——加齢と生活習慣 毛細血管の数や質は、20代をピークに、加齢とともにゆるやかに減っていくことが報告されています。年齢を重ねると手足が冷えやすくなったり、肌の調子が変わったりする一因が、ここにあると考えられています。 ただし、減り方は年齢だけで決まるわけではありません。次のような要因が、毛細血管のゴースト化を進める方向にはたらくと考えられています。 運動不足:体を動かさないと、末梢まで血液を巡らせる機会が減ります 血糖値の急激な上昇のくり返し:余分な糖は血管の壁を傷つける方向にはたらくと考えられています 慢性的な炎症:体の中でくすぶる炎症は、血管にも負担をかけます。この点は慢性炎症と老化(インフラメイジング)とも重なるテーマです 冷え:体が冷えると末梢の血流は滞りやすくなります。低体温が招く不調もあわせてご覧ください 喫煙:血管を縮め、血流を妨げる代表的な要因とされています ゴースト血管と「見た目」「不調」 毛細血管の状態は、見た目にもあらわれやすいといわれます。肌は、毛細血管から届く酸素と栄養に頼って新しく生まれ変わっています。だから毛細血管が減ると、くすみやハリの低下、傷の治りにくさといった変化として感じられることがあると考えられています。 体の不調としては、手足の冷えやしびれ、疲れやすさなどが挙げられます。また、脳のように細い血管が密集している場所では、巡りの低下が思考のさえや集中力に影響しうるとも指摘されています。 もちろん、これらの不調の原因はさまざまで、すべてが毛細血管で説明できるわけではありません。ただ、「全身に酸素と栄養を届ける最終ルート」が細っていく、という視点は、加齢にともなう変化を理解するうえで一つの手がかりになります。 毛細血管を保つ・増やす生活習慣の視点 うれしいことに、毛細血管は生活習慣に応じて状態が変わりうることもわかってきています。研究で言われている方向性をいくつか挙げます。 適度な運動を続ける:とくにウォーキングなどの有酸素運動や、ふくらはぎを使う運動は、末梢への血流を促し、毛細血管を保つ方向にはたらくと報告されています 体を温める:入浴や温かい服装で末梢を冷やさないことは、巡りを支える基本です 血糖値を急に上げない食べ方:よく噛んでゆっくり食べる、野菜から食べる、といった工夫が役立つと考えられています 質のよい睡眠をとる:血管の修復とメンテナンスは、休息の時間に進みます 禁煙する:血流を妨げる要因を一つ減らすことになります シナモンやルイボスなど、血管の支え合いを助けるとして話題になる食品もありますが、これらはあくまで土台となる生活習慣に添えるもので、それだけで劇的に変わるというものではない、というのが正直なところです。 末梢の「巡り」を診るということ——救急医の視点から 私は銀座数寄屋橋クリニックの院長を務める前、約20年にわたり国立の医療機関で救急医として勤務し、延べ約36,000人の患者さんの診療にあたってきました。 救急の現場では、末梢の血流が生命のサインそのものになります。たとえば、爪を軽く押して離し、色が戻るまでの時間(毛細血管再充満時間)を見る——これは、ベッドサイドで体の巡りが保たれているかを確かめる、もっとも基本的な診察の一つです。色の戻りが遅いとき、私たちは「末梢まで血液が届いていない」と判断し、警戒を強めます。 つまり、毛細血管レベルの巡りは、太い血管の数値には表れない「体のすみずみの状態」を映し出しています。日々の健康という穏やかな文脈でも、末梢の巡りを整えておくことは、全身の細胞に酸素と栄養を届け続けるための、静かで確実な土台づくりだと、現場での経験から考えています。 まとめ 毛細血管は全身の血管の大半を占め、酸素と栄養を細胞へ届ける「最後の一区間」です。 加齢や生活習慣のなかで血流が途絶え、ぬけがらのようになった状態が「ゴースト血管」と呼ばれます。 運動・保温・食べ方・睡眠・禁煙といった生活習慣で、毛細血管の状態は変わりうることがわかってきています。 末梢の巡りが土台であることは、救急の現場でも日々の研究でもくり返し示されています。とはいえ、わかっていても、冷えや運動不足を毎日整え続けるのは、多忙な方ほど難しいものです。 だからこそ医学・科学は、「その巡りの土台を、どうすれば無理なく支えられるか」を模索し続けています。当院が行うストレスフリー療法も、穏やかな温熱刺激を通じて末梢の血流を高めることを目指す取り組みの一つで、施術前後の爪郭部(爪のつけ根)の血流を観察しています(研究知見にもとづくもので、はたらき方には個人差があります)。その科学的な考え方についてはストレスと老化の科学で解説しています。 巡りの土台づくりにご関心のある方は、当院のメニュー・料金ページもあわせてご覧ください。 よくある質問 Q. ゴースト血管は元に戻せるのですか?A. 毛細血管は生活習慣に応じて状態が変わりうると報告されており、運動や保温などで巡りを保つことが土台になると考えられています。ただし、完全に元どおりになることを保証するものではなく、年齢や状態によって変化には個人差があります。 Q. 毛細血管を増やすには、どんな運動がよいですか?A. ウォーキングなどの有酸素運動が基本とされ、あわせてふくらはぎを使う運動(かかとの上げ下げなど)が末梢の血流を促すと言われています。激しい運動より、無理なく続けられることのほうが大切だと考えられています。 Q. 冷え性とゴースト血管は関係がありますか?A. 末梢の血流の低下は、冷えと関わると考えられています。ただし冷えの原因はさまざまで、貧血や甲状腺の病気などが隠れていることもあります。冷えが強い、急に悪化したといった場合は、まずはかかりつけ医にご相談ください。 本記事は健康に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の検査・治療の効果を保証するものではありません。研究知見には今後の検証が必要な発展段階のものが含まれます。体の状態には個人差があります。