The Hidden Cause
このような不調はありませんか?
常に「闘争・逃走反応」が働き、リラックスできない状態。血管が収縮し、全身の血流が遮断されています。
高血圧や血糖値の上昇。
「薬を飲んでいるから大丈夫」と、根本原因を放置していませんか?
脳への血流不足(酸欠)は「ブレイン・フォグ」を招き、経営判断に必要な直感力や決断力を奪います。
About Stress-Free Therapy
当院は「ストレスフリー療法」を提供しています。
ストレスフリー療法とは、身体の4点に心地よい赤外線刺激を与える、独自の温熱アプローチです。
特許取得済みの精密な温度制御により、効率よく血行を促進。副作用のリスクを抑え、日常のストレスで緊張した心身を優しく解きほぐします。
48℃未満の心地よい刺激が、効率的に血流を促し、深いリラックス状態へと導きます。銀座の落ち着いた空間で、身体への負担を抑えた科学的なアプローチをご提供します。



ストレスフリー療法は、独自の温熱周波数により深部体温を上げ、自律神経に直接アプローチする方法です。ただ温めるだけではない、3つの生理学的反応を引き起こします。
心地よい温熱刺激で身体を芯から温め、滞りがちな血行を促進して、冷えによる悩みや毎日のコンディションを整えます。
独自の温熱リズムが日々のストレスで張り詰めた心身の緊張を優しくほぐし、深いリラックス状態へと導きます。
患部や特定のポイントを温めることで、日頃の活動で蓄積した筋肉の疲れを和らげ、身体のこりを健やかにほぐします。
Our Strengths
| ストレスフリー療法 | 再生療法 | 高級スパ・整体 | |
|---|---|---|---|
| アプローチ | 血流・神経(根本改善) | 細胞レベル | 筋肉・表層 |
| リスク | 極小 | 身体的負担あり | ほぼなし |
| 心理的面 | 日常的なメンテナンス | 最後の一手 | ご褒美・癒やし |
STRENGTHS
Treatment Guidelines
現代社会のストレスフルな環境にさらされ続けることで慢性的に分泌されるコルチゾール(ストレスホルモンの一つ)の低下を促し、体の不調の根本原因へのアプローチを目指す。
全身の血流量の増幅を促し、体内の37兆個の細胞一つ一つをくまなく活性化し、自己治癒力を最大限引き出すことを目指す。
加齢とともに減少する成長ホルモンの体内からの分泌力を再生し、代謝・免疫・認知機能の復調を目指す。
エストロゲン・テストステロンといった性ホルモンの体内からの分泌を促し、血管・脳・骨・筋肉・皮膚へのホルモン本来の保護作用の復活を目指す。
抗炎症サイトカインであるIL-10の産生を促し、老化の原因である慢性炎症をはじめとする体内の炎症の駆逐を目指す。
体内の1京個のミトコンドリアの機能の正常化を促し、活性酸素の発生を減じ、炎症性老化の抑制を目指す。
複合的・総合的なアプローチの積み重ねにより、テロメアの短縮抑制や細胞の老化時計を巻き戻すことで、遺伝子レベルでの生物学的年齢の若返りの実現を目指す。
Treatment Guidelines
MASSAGE

東日本大震災をきっかけに、厳しい寒さの中で人が置かれる身体的負担と向き合い、体温や代謝が生命活動に与える影響を深く見つめ直しました。
そこから、身体に過度な負担をかけないケアの研究が始まりました。
生命倫理委員会の指針に基づき、独自の呼吸法と温熱刺激による心身への影響を科学的に検証。
最小限の刺激で深いリラックスをもたらす、科学的根拠に基づいた温熱療法を、銀座から丁寧に提供してまいります。
KENJI RYOTOKUZI
了徳寺 健二

ストレスフリー療法と出会い、その効果に強い可能性を感じました。
身体への負担を抑えながら、本来の状態へと整えていく——その考え方に深く共感しています。
この療法を、必要としている方にきちんと届けたい。
その想いから、2023年4月より銀座数寄屋橋クリニックにて、
ストレスフリー療法に特化した診療を行っています。
日々忙しく、自身のケアが後回しになりがちな方こそ、
安心して身を委ねられる時間と環境を大切にしたい。
銀座という場所から、誠実な医療のかたちを提供してまいります。
TAKUNORI SATO
佐藤 琢紀

Clinic Information/Access
〒104-0061
東京都中央区銀座4-2-12 銀座クリスタルビル7F

Blog
「靴下を重ねても足先が冷たい」「布団に入っても足が冷えて寝つけない」「夏でも手先がひんやりしている」——こうした冷えに長く悩まされていると、「自分は冷え性だから」と、なかば諦めてしまいがちです。 けれども、手足の冷えは、ただの体質ではなく、体の「巡り」、つまり血流からのサインであることが少なくありません。 この記事では、なぜ手足の末端から冷えるのか、それが血流とどう関わるのか、そして見直せる生活習慣や、ときに受診を考えたほうがよいサインまでを、できるだけわかりやすく解説します。 なぜ手足は冷えるのか——体は「中心」を優先する そもそも、なぜ冷えは手や足の末端から始まるのでしょうか。ここには、体のかしこい仕組みが関わっています。 私たちの体にとって、何よりも守りたいのは、脳や心臓、内臓といった「中心(体幹)」です。これらの体温が下がりすぎると、命に関わります。そのため体は、寒さを感じたりエネルギーを節約したいときに、手足の末端の血管をきゅっと縮め、そこへ流す血液を減らして、温かい血液を中心に集めようとします。 血液は、全身に熱を運ぶ「温水」のような役割も担っています。ですから、末端への血流が減れば、そこに運ばれる熱も減り、手足は真っ先に冷たくなります。手足の冷えは、いわば体が中心を守るために末端を後回しにした結果でもあるのです。 この調節そのものは正常な反応です。問題は、必要以上に、あるいは常にこの「末端の血流を絞った状態」が続いてしまうこと。それが、つらい冷え性の背景にあると考えられています。 冷えと「巡り」——血流が熱を運ぶ 手足の先まで温かさを届けているのは、そこに張りめぐらされた、髪の毛より細い「毛細血管」を流れる血液です。 この末梢の血流が滞ると、いくら体の中心が温かくても、その熱が指先・足先まで届きにくくなります。とくに、加齢などにともなって毛細血管そのものが減ったり、巡りを失ったりすると、冷えはより感じやすくなります。毛細血管の老化については「ゴースト血管」と若返りでくわしく解説しています。 なお、手足だけでなく体全体が冷えやすい、平熱そのものが低い、という場合は、熱をつくり出す力(産熱)や全身の体温の問題が関わっていることもあります。こちらは低体温が招く不調とあわせてご覧ください。手足の冷えと全身の低体温は、重なる部分もありますが、少し切り口の異なるテーマです。 冷えを招く要因——自律神経・筋肉・生活習慣 末端の血流が絞られやすくなる背景には、いくつかの要因が重なっています。 一つは、自律神経の働きです。血管を縮めたりゆるめたりを調節しているのは自律神経で、ストレスや緊張が続いて交感神経が優位な状態が長引くと、血管が縮みがちになり、末端の血流が減りやすくなります。自律神経と血流の関係は自律神経の乱れを整えるで解説しています。 もう一つが、筋肉です。筋肉は体の中で熱をつくり出す大きな工場であり、また血液を末端から心臓へ送り返すポンプの役割も果たしています。筋肉量が少ないと、熱がつくられにくく、巡りも滞りやすくなります。一般に女性に冷えを感じる方が多い背景の一つに、男性に比べて筋肉量が少ない傾向があることが挙げられます。 さらに、体を締めつける服装、運動不足、シャワーだけで湯船につからない習慣、強いストレスなども、巡りを滞らせる方向にはたらきます。冷えは、こうした要因が積み重なって現れることが多いのです。 冷えは「体質」だけではない——見直せる土台 「冷え性は体質だから仕方ない」とよく言われますが、ここまで見てきたように、冷えには見直せる要因がいくつもあります。特別な近道があるわけではありませんが、巡りを支える生活の土台を整えることが基本です。研究や臨床で言われている方向性をいくつか挙げます。 体を動かす:とくに下半身の筋肉を使う習慣(歩く、軽いスクワットなど)は、熱をつくり、巡りを助ける方向にはたらきます 湯船につかる:シャワーだけで済ませず、ぬるめのお湯にゆっくりつかると、体が温まり副交感神経も働きやすくなります 締めつけない:きつい下着や靴下、靴は、かえって末端の血流をさまたげることがあります 温かいものをとり、栄養を整える:冷たい飲み物のとりすぎを避け、たんぱく質などをしっかりとることも、熱づくりの土台になります ストレスをためこまない:緊張が続くと血管は縮みがちです。意識的に体をゆるめる時間を持つことも一つの対策です 結局は「巡りと熱づくりを支える暮らし」に行き着く、というのが正直なところです。 こんな冷えは注意——背景に病気が隠れることも 多くの冷えは生活習慣に関わるものですが、なかには体の不調のサインとして現れる冷えもあります。次のような場合は、自己判断で様子を見続けず、医療機関への相談をおすすめします。 片方の手や足だけが急に冷たく、色が白や紫に変わる、痛みやしびれをともなう 冷えとともに、強い疲れ、体重の変化、むくみ、皮膚の変化などが続いている これまでと明らかに様子が違う冷えが、急に強くなった こうした冷えの背景には、甲状腺の働きの問題、手足の動脈の病気(末梢動脈疾患)、膠原病(こうげんびょう)といった病気が隠れていることがあります。ここで挙げたのはあくまで一般的な例であり、冷えからご自身で病名を判断する必要はありません。気になる変化があれば、まずはかかりつけの医師に相談してください。 救急医の視点から——体が末梢を絞り「中心」を守るとき 私は銀座数寄屋橋クリニックの院長を務める前、約20年にわたり国立の医療機関で救急医として勤務し、延べ約36,000人の患者さんの診療にあたってきました。 救急の現場では、ショックや強い寒さにさらされた患者さんの体が、手足の末梢の血管をぎゅっと絞り、温かい血液を脳や心臓といった中心に集めようとする反応を、繰り返し目にしてきました。冷たく、白っぽくなった手足は、体が必死に中心を守ろうとしているサインでもあるのです。これは命を守るための、理にかなった防御反応です。 日常の冷え性は、もちろんこうした緊急の状態とは程度がまったく違います。けれども、「体は中心を守るために末端を後回しにする」という同じ仕組みが、穏やかな形ではたらいている点では共通しています。だからこそ、末端まで血液をしっかり巡らせ、熱を届けてあげることが、冷えという悩みに向き合ううえで大切なのだと、現場の経験からも感じています。 まとめ 手足の冷えは、体が中心(脳・心臓・内臓)を守るために末端の血流を絞った結果として、真っ先に末端が冷えることが背景にあります。 血液は熱を運ぶ役割も担うため、末梢の血流が減ると、運ばれる熱が減り、手足が冷えます。自律神経・筋肉量・生活習慣が要因として重なります。 「体質だから」と諦めず、巡りと熱づくりを支える生活の土台を整えることが基本。ただし片側性・色調変化・痛みなどをともなう冷えは受診を。 末端まで血液をしっかり巡らせること——これは冷えという日常の悩みだけでなく、健やかさの土台にも関わるテーマです。とはいえ、生活の見直しだけで思うように改善しないことがあるのも、また事実です。 当院が行うストレスフリー療法は、温熱の刺激を通じて、末梢の血流を高めることを目指す取り組みです(研究知見にもとづく予備的なもので、はたらき方には個人差があります)。その科学的な考え方についてはストレスと老化の科学で解説しています。 冷えや巡りの土台づくりにご関心のある方は、当院のメニュー・料金ページもあわせてご覧ください。 よくある質問 Q. 冷え性は体質なので、治らないのでしょうか? A. 「体質だから」と諦める必要はありません。冷えには、自律神経の状態、筋肉量、服装や運動・入浴の習慣など、見直せる要因がいくつも関わっています。巡りと熱づくりを支える生活の土台を整えることが基本です。 Q. なぜ女性のほうが冷えを感じやすいのですか? A. 一般に、男性に比べて筋肉量が少ない傾向があることが、背景の一つと考えられています。筋肉は熱をつくり、血液を巡らせるポンプの役割も担うためです。もちろん男性にも冷えはあり、要因は人によってさまざまです。 Q. 病院に行ったほうがよい冷えの目安はありますか? A. 片方の手足だけが急に冷たく色が変わる、痛みやしびれをともなう、急に強くなった、体重変化やむくみなど他の不調を伴う——こうした場合は、自己判断で様子を見ず、かかりつけの医師にご相談ください。背景に体の不調が隠れていることがあります。 本記事は健康に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の検査・治療の効果を保証するものではありません。研究知見には今後の検証が必要な発展段階のものが含まれます。体の状態には個人差があります。気になる症状が続く場合は医療機関にご相談ください。
「オートファジー」という言葉を、健康やアンチエイジングの話題で耳にしたことがあるかもしれません。2016年に大隅良典(おおすみよしのり)博士がこの研究でノーベル賞を受賞したことで、一気に広く知られるようになりました。 ただ、名前は聞いたことがあっても、それが体の中で何をしているのかは、なんとなくのまま、という方が多いのではないでしょうか。 オートファジーを一言でいえば、細胞が自分の中の古くなった部品を分解し、作り直すための「掃除とリサイクルの仕組み」です。この記事では、オートファジーとは何か、なぜ若さと関わるのか、そしてどんなときに働くのかを、できるだけわかりやすく解説します。 オートファジーとは——細胞の「掃除とリサイクル」 オートファジーは、日本語では「自食作用(じしょくさよう)」と訳されます。「自分(オート)を食べる(ファジー)」という意味の言葉です。 少し物騒な響きですが、自分の体を傷つけるという話ではありません。細胞の中で、古くなったり傷んだりした部品——たんぱく質や、エネルギーをつくる装置などを、いったん分解して、その材料を新しい部品づくりに再利用する。そんなリサイクルの働きを指します。 家のなかにたとえると、わかりやすいかもしれません。長く暮らしていれば、壊れた家具や使わなくなった道具がたまっていきます。それを放っておくと家は雑然としていきますが、定期的に片づけて、使える部分は資源として出す。オートファジーは、細胞の中でこれと似たことを、いつも静かに続けているのです。 この仕組みは、栄養が足りないときに材料を確保する手段にもなり、傷んだ部品をためこまないための品質管理にもなっています。生きていくうえで欠かせない、基本的な機能なのです。 なぜ若さと関わるのか——「ためこまない」細胞 オートファジーが老化と関わるとされる理由は、この「ためこまない」という働きにあります。 細胞の中では、日々の活動のなかで、傷んだ部品や不要なゴミのようなものが少しずつ生まれています。オートファジーがきちんと働いていれば、それらは片づけられ、細胞は新鮮な状態を保てます。 ところが、このオートファジーの働きは、加齢とともにゆるやかに低下していくと考えられています。掃除の手が回らなくなると、傷んだ部品やゴミが細胞の中にたまりやすくなる。こうした「片づけ切れない」状態が、細胞の機能の低下や、老化の進み方と関わるのではないか、と研究の世界では議論されています。 逆にいえば、この掃除とリサイクルの働きを保つことが、細胞を健やかに保つうえでの一つのテーマになる、というわけです。 オートファジーと、酸化・ミトコンドリア・炎症 オートファジーは、これまでの記事でお話ししてきた老化のテーマと、深いところでつながっています。 たとえば、酸化ストレスによって傷ついたたんぱく質。これを片づけるのも、オートファジーの役割の一つです。活性酸素のダメージと、それを処理する掃除の働きは、いわば「汚れ」と「掃除」の関係にあります(酸化のしくみについては酸化ストレスと抗酸化をご覧ください)。 エネルギーをつくる装置であるミトコンドリアも例外ではありません。古くなって調子の落ちたミトコンドリアを選んで分解し、入れ替える働きは「マイトファジー」と呼ばれ、オートファジーの一種です。傷んだ発電所を片づけて新しくする仕組み、と考えるとわかりやすいかもしれません(ミトコンドリアについてはミトコンドリアと若さで解説しています)。 さらに、掃除の働きが追いつかず、傷んだものや老化した細胞がたまっていくと、体の中でくすぶる弱い炎症を後押しする方向にもはたらくと指摘されています。この「慢性炎症」と老化の関係は慢性炎症と老化(インフラメイジング)で解説しています。 酸化・ミトコンドリア・炎症、そしてオートファジー。これらは別々の話ではなく、老化という一つの流れのなかで絡み合っています。その全体像については老化時計とはもあわせてご覧ください。 オートファジーのスイッチ——「適度な負荷」という考え方 では、オートファジーはどんなときに活発になるのでしょうか。研究で知られているのは、体に適度な負荷がかかったときに促されやすい、という点です。 その代表が、空腹の時間と、適度な運動です。栄養がたっぷり満たされ続けている状態よりも、ほどよく空腹を感じる時間があるほうが、細胞は「手持ちの材料を活用しよう」とリサイクルの働きを高めると考えられています。運動も、体に適度な刺激を与えることで、同じ方向にはたらくとされています。 ここで因果の向きを整理しておきます。「空腹や運動という適度な負荷→オートファジーが促される→細胞の掃除が進む」という順序です。「オートファジーさえ働かせれば必ず若返る」という単純な話ではありません。 そして、ここはとても大切なところですが、「適度」を超えた極端な食事制限は、かえって体に負担をかけます。長時間の断食や厳しいカロリー制限は、必要な栄養まで不足させ、筋肉が落ちたり体調を崩したりするリスクがあります。よかれと思って無理を重ねれば、本末転倒になりかねません。 特に、持病のある方、痩せ気味の方、高齢の方、妊娠中の方などは、自己判断で極端な食事制限を行うべきではありません。気になる場合は、まず主治医に相談してください。鍵になるのは過酷な我慢ではなく、規則正しい食事と適度な運動という、ごく当たり前の生活の土台を整えることです。 救急医の視点から——体が「内側を作り替えて」生き延びる力 私は銀座数寄屋橋クリニックの院長を務める前、約20年にわたり国立の医療機関で救急医として勤務し、延べ約36,000人の患者さんの診療にあたってきました。 救急・集中治療の現場では、重い病気やけがで十分に食事がとれない患者さんの体が、自分の蓄えを動員して、なんとか生命を保とうとする姿を数えきれないほど見てきました。栄養が外から入ってこないとき、体は手持ちの材料を分解し、再利用してでも、必要なエネルギーや部品をつくり出そうとします。オートファジーも、そうした「内側を作り替えてでも生き延びる」しくみの一部です。 それは、私たちの体に、いざというときの並外れた回復力とやりくりの力が備わっていることの証でもあります。同時に、こうした力は本来「いざというとき」のための備えであって、日常で過酷に追い込めばよいというものではない——現場での経験は、その両面を私に教えてくれました。だからこそ、極端に頼るのではなく、体本来の掃除の働きを穏やかに保つ、という発想が大切なのだと考えています。 まとめ オートファジーは、細胞が古くなった部品を分解して作り直す「掃除とリサイクル」の仕組みで、生きていくうえで欠かせない基本的な働きです。 この働きは加齢とともに低下しやすく、傷んだものを「ためこまない」ことが、細胞を健やかに保つ一つのテーマと考えられています。 空腹の時間や適度な運動が促す方向にはたらきますが、極端な食事制限は逆効果。規則正しい生活という土台が基本で、持病のある方などは自己判断せず主治医に相談を。 細胞の掃除の働きを保つこと、そして酸化・炎症・エネルギーといった、たがいに結びついた老化の土台を穏やかに整えること。それが健やかに年齢を重ねるうえでの大きなテーマであることは、研究でもくり返し示されています。とはいえ、忙しい毎日のなかでそれを続けるのは、思いのほか難しいものです。 当院が行うストレスフリー療法は、オートファジーそのものを直接の標的とする治療ではありませんが、血流や代謝、ストレスといった、細胞のはたらきを支える体の土台を整えることを目指す取り組みです(研究知見にもとづく予備的なもので、はたらき方には個人差があります)。その科学的な考え方についてはストレスと老化の科学で解説しています。 体の老化の土台づくりにご関心のある方は、当院のメニュー・料金ページもあわせてご覧ください。 よくある質問 Q. オートファジーを働かせるには、断食をしなければいけませんか? A. 必ずしも厳しい断食が必要というわけではありません。研究では、ほどよく空腹を感じる時間や適度な運動が促す方向にはたらくとされています。一方で、極端な食事制限はかえって体に負担となり、リスクもあります。規則正しい食事と適度な運動という土台を整えることが基本で、持病のある方などは自己判断せず主治医にご相談ください。 Q. オートファジーが活発かどうかは、検査でわかりますか? A. 現状、日常の診療で個人のオートファジーの活発さを手軽に測る、確立した一般的な検査があるわけではありません。研究は進んでいますが発展段階です。数値で追うよりも、生活習慣の土台を整えるという観点で考えるのが現実的です。 Q. オートファジーと酸化ストレスやミトコンドリアは、別々の話ですか? A. いいえ、深くつながっています。酸化で傷ついたたんぱく質や、調子の落ちたミトコンドリアを片づけるのも、オートファジーの役割です。「汚れ」と「掃除」のような関係で、どちらか一方ではなく、全体のバランスが大切だと考えられています。 本記事は健康に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の検査・治療の効果を保証するものではありません。研究知見には今後の検証が必要な発展段階のものが含まれます。体の状態には個人差があります。極端な食事制限や断食は体調を崩す恐れがあり、持病のある方・妊娠中の方などは医師にご相談ください。
「活性酸素は体に悪い」「抗酸化が大事」——健康の話題でよく耳にする言葉です。けれども、活性酸素とは具体的に何で、なぜ「酸化」が老化と関わるのか、そして「抗酸化」とは結局どういうことなのか。ここはなんとなくのまま、という方が多いのではないでしょうか。 老化の科学では、体を老けさせる二つの大きな現象として「酸化」と「糖化」がよく並べて語られます。鉄がさびていくような「体のサビ」が酸化、こんがりと焼き色がつくような「体のコゲ」が糖化です(コゲのほうは糖化と老化でくわしく解説しています)。 この記事では、その"サビ側"である酸化に焦点をあて、活性酸素とは何か、酸化ストレスとはどういう状態か、そして体に備わる「抗酸化」の力をどう支えるかを、できるだけわかりやすく解説します。 活性酸素は「悪者」とは限らない まず大切な前提を一つ。活性酸素は、悪者一辺倒ではありません。 私たちは呼吸でとり込んだ酸素を使って、細胞の中でエネルギーをつくり出しています。その過程で、酸素の一部が、まわりの物質と反応しやすい「活性酸素」という形に変わります。いわばエネルギーづくりの副産物です。 この活性酸素には、ちゃんと役割があります。体に入ってきた細菌やウイルスを攻撃して退治する、いわば免疫の武器として使われたり、細胞どうしが情報をやりとりする合図に使われたりしています。つまり、生きていくうえで一定量は必要なものなのです。 問題になるのは、活性酸素が「増えすぎたとき」です。強い反応性をもつぶんだけ、過剰になると、細胞や遺伝子、たんぱく質、脂質などを傷つけてしまう。この"傷つける側"の顔が、酸化ストレスや老化の話につながっていきます。 酸化ストレスとは——「つくる量」と「消す力」のバランス ここで登場するのが「酸化ストレス」という言葉です。 酸化ストレスとは、ざっくり言えば、活性酸素をつくる量が、それを消す力(抗酸化の力)を上回ってしまった状態のことです。天秤をイメージするとわかりやすいかもしれません。片方の皿に「活性酸素の発生」、もう片方に「抗酸化の防御」がのっていて、発生のほうに大きく傾いた状態が酸化ストレスです。 私たちの体には、活性酸素のダメージから身を守る「抗酸化」の仕組みがもともと備わっています。だから、活性酸素が少し増えたくらいでは、すぐに問題にはなりません。天秤が大きく傾き、その状態が長く続いたときに、じわじわとダメージが積み重なっていく——そう考えると、酸化ストレスの本質が見えてきます。 そしてこの傾きが続くことが、さまざまな生活習慣病や、老化の進み方と関わるのではないか、と研究の世界では議論されています。 体に備わる「抗酸化」の仕組み では、活性酸素を消す「抗酸化の力」とは、具体的にどんなものでしょうか。大きく二つに分けられます。 一つは、体がみずから持っている抗酸化の仕組み(内因性)です。体内には、増えすぎた活性酸素を処理するための専用の酵素や物質がいくつも用意されていて、ふだんから働いてくれています。私たちが酸素を使って生きていられるのは、この防御システムのおかげです。 もう一つは、食べ物などから外からとり入れる抗酸化成分(外因性)です。ビタミンCやビタミンE、野菜や果物の色や苦みのもとになっているポリフェノールやカロテノイドといった成分が、抗酸化の働きをもつことで知られています。 ところが、この抗酸化の力は、加齢とともにゆるやかに低下していくと考えられています。一方で、活性酸素を増やす要因——たとえば喫煙、強い紫外線、過度な飲酒、睡眠不足、強いストレスなど——は、現代の暮らしのなかにたくさんあります。「つくる量」が増え、「消す力」が落ちる。この二重の変化が、年齢を重ねるなかで酸化ストレスに傾きやすくなる背景にあります。 酸化ストレスと老化・血管・全身のつながり 酸化ストレスは、体のいろいろな場面に顔を出します。 活性酸素の主な発生源の一つが、細胞のエネルギー工場である「ミトコンドリア」です。ミトコンドリアは酸素を使ってエネルギーをつくる過程で活性酸素を出すため、その調子と酸化ストレスは切り離せません(くわしくはミトコンドリアと若さをご覧ください)。 また、増えすぎた活性酸素は、体の中でくすぶる弱い炎症を後押しする方向にもはたらくと指摘されています。この「慢性炎症」と老化の関係は慢性炎症と老化(インフラメイジング)で解説しています。酸化ストレスと慢性炎症は、たがいに相手を強め合う関係にあると考えられています。 そして冒頭でも触れたとおり、「サビ」である酸化と「コゲ」である糖化も、別々に進むのではなく、たがいに結びつきながら老化を後押しすると考えられています。酸化・糖化・炎症は、いわば老化という一つの流れを支える、絡み合った土台なのです。こうした老化の科学全体の見取り図については老化時計とはもあわせてご覧ください。 ここで因果の向きを一つ整理しておきます。「抗酸化をすれば若返る」という単純な話ではありません。順序としては、活性酸素の増えすぎを抑え、抗酸化とのバランスを保つことが、老化に関わる体のダメージを穏やかにする土台になりうる——という関係として理解するのが正確です。 抗酸化力を支える生活習慣の視点 「では抗酸化サプリをたくさん飲めばよいのか」と思われるかもしれませんが、ここは少し慎重になりたいところです。抗酸化成分を大量にとれば必ずよい、という単純な話ではないことが、いくつもの研究から指摘されています。先ほどお話ししたように、活性酸素には必要な役割もあるため、やみくもに消し去ろうとすればよいわけではないのです。 現実的なのは、特定の成分に頼りきるのではなく、抗酸化に傾きやすい暮らしを土台として整えていく、という発想です。研究で言われている方向性をいくつか挙げます。 いろどり豊かな食事を意識する:野菜や果物に含まれる抗酸化成分は、色や種類によって少しずつ異なります。一つの食品に偏らず、いろいろな色のものをバランスよくとることが、現実的な考え方とされています 活性酸素を増やす要因を減らす:禁煙、飲みすぎを避ける、強い紫外線への対策などは、いずれも「発生源を抑える」方向にはたらきます 適度な運動を続ける:激しすぎる運動はかえって活性酸素を増やしますが、ほどよい運動はむしろ体の抗酸化の仕組みを鍛える方向にはたらくと考えられています。「ほどほど」が鍵です 睡眠とストレスケア:睡眠不足や強いストレスは酸化ストレスを高める方向にはたらくとされ、十分な休息は土台として欠かせません 特別な近道があるわけではなく、結局は「活性酸素を増やしすぎず、消す力を支える暮らし」に行き着く——というのが、正直なところです。 救急医の視点から——血流が「戻る瞬間」と活性酸素 私は銀座数寄屋橋クリニックの院長を務める前、約20年にわたり国立の医療機関で救急医として勤務し、延べ約36,000人の患者さんの診療にあたってきました。 救急の現場で活性酸素の存在を強く意識させられる場面の一つに、「虚血再灌流(きょけつさいかんりゅう)」と呼ばれる現象があります。体のどこかで血流がいったん途絶え(例えば脳で起こると脳梗塞、心臓で起こると心筋梗塞という病名になります)、その後ふたたび血液が流れ出すとき、そのタイミングで活性酸素が一気に発生し、組織を傷つけてしまうことがあるのです。血流が戻ること自体は救命のために不可欠なのに、その瞬間に酸化のダメージが起こりうる——酸素と活性酸素が表裏一体であることを、私は現場で繰り返し実感してきました。 これは急性の、いわば一瞬の出来事です。一方で、この記事でお話ししてきた酸化ストレスは、そうした急変とは対照的に、何年もかけて静かに積み重なっていくものです。時間軸はまったく違いますが、「酸素を使って生きることには、酸化というコストがついて回る」という点は、救急の現場でも、日々の老化の科学でも、変わらず通底しているように感じています。 まとめ 活性酸素は悪者一辺倒ではなく、免疫や情報伝達に必要なものでもあります。問題になるのは「増えすぎたとき」です。 酸化ストレスとは、活性酸素を「つくる量」が「消す力(抗酸化)」を上回った状態のこと。この傾きが続くことが、老化や不調の土台と関わると考えられています。 抗酸化は特定の成分に頼りきるより、いろどり豊かな食事・発生源を減らす・適度な運動・十分な休息といった暮らしの土台で支える、という発想が現実的です。 酸化・糖化・炎症という、たがいに結びついた老化の土台を穏やかに保つこと。それが、健やかに年齢を重ねるうえでの大きなテーマであることは、研究でもくり返し示されています。とはいえ、忙しい毎日のなかでそれを続けるのは、思いのほか難しいものです。 当院では、こうした体の状態を把握する一環として、酸化ストレスの程度を測定する検査も取り入れています。そのうえで当院が行うストレスフリー療法は、酸化ストレスそのものを直接の標的とする治療ではありませんが、血流や代謝といった、酸化ストレスの背景にある体の土台を整え、結果として酸化のダメージを和らげることを目指す取り組みです(研究知見にもとづく予備的なもので、はたらき方には個人差があります)。その科学的な考え方についてはストレスと老化の科学で解説しています。 体の老化の土台づくりにご関心のある方は、当院のメニュー・料金ページもあわせてご覧ください。 よくある質問 Q. 活性酸素は、すべて体に悪いものなのですか? A. いいえ。活性酸素は免疫の働きや、細胞どうしの情報のやりとりにも使われていて、生きていくうえで一定量は必要なものです。問題になるのは、抗酸化の力を上回って増えすぎたときです。「ゼロにする」ことではなく「バランスを保つ」ことが大切だと考えられています。 Q. 抗酸化サプリをたくさん飲めば老化を防げますか? A. 大量にとればよいという単純な話ではない、と多くの研究で指摘されています。活性酸素には必要な役割もあるため、やみくもに消そうとするのは適切ではありません。特定の成分に頼るより、いろどり豊かな食事や生活習慣で土台を整えるほうが現実的とされています。気になる場合は主治医にご相談ください。 Q. 酸化ストレスの程度は測れるのですか? A. 血液などから酸化ストレスの程度を推定しようとする検査があり、当院でも体の状態を把握する一環として取り入れています。ただし、こうした指標は体調やその日のコンディションでも変動しうるため、一回の数値だけで判断せず、生活習慣の土台づくりとあわせて考えることが大切です。 本記事は健康に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の検査・治療の効果を保証するものではありません。研究知見には今後の検証が必要な発展段階のものが含まれます。体の状態には個人差があります。