The Hidden Cause
このような不調はありませんか?
常に「闘争・逃走反応」が働き、リラックスできない状態。血管が収縮し、全身の血流が遮断されています。
高血圧や血糖値の上昇。
「薬を飲んでいるから大丈夫」と、根本原因を放置していませんか?
脳への血流不足(酸欠)は「ブレイン・フォグ」を招き、経営判断に必要な直感力や決断力を奪います。
About Stress-Free Therapy
当院は「ストレスフリー療法」を提供しています。
ストレスフリー療法とは、身体の6点に心地よい赤外線刺激を与える、独自の温熱アプローチです。
特許取得済みの精密な温度制御により、効率よく血行を促進。副作用のリスクを抑え、日常のストレスで緊張した心身を優しく解きほぐします。
48℃未満の心地よい刺激が、効率的に血流を促し、深いリラックス状態へと導きます。銀座の落ち着いた空間で、身体への負担を抑えた科学的なアプローチをご提供します。



ストレスフリー療法は、独自の温熱周波数により深部体温を上げ、自律神経に直接アプローチする方法です。ただ温めるだけではない、3つの生理学的反応を引き起こします。
心地よい温熱刺激で身体を芯から温め、滞りがちな血行を促進して、冷えによる悩みや毎日のコンディションを整えます。
独自の温熱リズムが日々のストレスで張り詰めた心身の緊張を優しくほぐし、深いリラックス状態へと導きます。
患部や特定のポイントを温めることで、日頃の活動で蓄積した筋肉の疲れを和らげ、身体のこりを健やかにほぐします。
Our Strengths
| ストレスフリー療法 | 再生療法 | 高級スパ・整体 | |
|---|---|---|---|
| アプローチ | 血流・神経(根本改善) | 細胞レベル | 筋肉・表層 |
| リスク | 極小 | 身体的負担あり | ほぼなし |
| 心理的面 | 日常的なメンテナンス | 最後の一手 | ご褒美・癒やし |
STRENGTHS
Treatment Guidelines
現代社会のストレスフルな環境にさらされ続けることで慢性的に分泌されるコルチゾール(ストレスホルモンの一つ)の低下を促し、体の不調の根本原因へのアプローチを目指す。
全身の血流量の増幅を促し、体内の37兆個の細胞一つ一つをくまなく活性化し、自己治癒力を最大限引き出すことを目指す。
加齢とともに減少する成長ホルモンの体内からの分泌力を再生し、代謝・免疫・認知機能の復調を目指す。
エストロゲン・テストステロンといった性ホルモンの体内からの分泌を促し、血管・脳・骨・筋肉・皮膚へのホルモン本来の保護作用の復活を目指す。
抗炎症サイトカインであるIL-10の産生を促し、老化の原因である慢性炎症をはじめとする体内の炎症の駆逐を目指す。
体内の1京個のミトコンドリアの機能の正常化を促し、活性酸素の発生を減じ、炎症性老化の抑制を目指す。
複合的・総合的なアプローチの積み重ねにより、テロメアの短縮抑制や細胞の老化時計を巻き戻すことで、遺伝子レベルでの生物学的年齢の若返りの実現を目指す。
Treatment Guidelines
MASSAGE

東日本大震災をきっかけに、厳しい寒さの中で人が置かれる身体的負担と向き合い、体温や代謝が生命活動に与える影響を深く見つめ直しました。
そこから、身体に過度な負担をかけないケアの研究が始まりました。
生命倫理委員会の指針に基づき、独自の呼吸法と温熱刺激による心身への影響を科学的に検証。
最小限の刺激で深いリラックスをもたらす、科学的根拠に基づいた温熱療法を、銀座から丁寧に提供してまいります。
KENJI RYOTOKUZI
了徳寺 健二

ストレスフリー療法と出会い、その効果に強い可能性を感じました。
身体への負担を抑えながら、本来の状態へと整えていく——その考え方に深く共感しています。
この療法を、必要としている方にきちんと届けたい。
その想いから、2023年4月より銀座数寄屋橋クリニックにて、
ストレスフリー療法に特化した診療を行っています。
日々忙しく、自身のケアが後回しになりがちな方こそ、
安心して身を委ねられる時間と環境を大切にしたい。
銀座という場所から、誠実な医療のかたちを提供してまいります。
TAKUNORI SATO
佐藤 琢紀

Clinic Information/Access
〒104-0061
東京都中央区銀座4-2-12 銀座クリスタルビル7F

Blog
私たちの体をつくる設計図であるDNAは、生まれてから生涯を通じて、その文字の並び(塩基配列)がほとんど変わりません。それなのに、同じ人の体でも、若い頃と年を重ねた頃とでは、はたらき方が大きく変わっていきます。なぜ、設計図は変わらないのに、体は老いていくのでしょうか。 そのかぎを握る仕組みのひとつが、「DNAメチル化」です。これは、遺伝子の配列そのものではなく、遺伝子の"使われ方"を調整する仕組み——いわば、遺伝子の「スイッチ」を切り替えるはたらきです。 この記事では、DNAメチル化とはそもそも何なのか、それが加齢とともにどう変化するのか、そして「生物学的年齢」とどうつながるのかを、できるだけわかりやすく解説します。 DNAメチル化とは——遺伝子の「スイッチ」を調整する仕組み 私たちの体は、たった一つの受精卵から始まり、心臓・皮膚・神経など、まったく違うはたらきをもつ細胞へと分かれていきます。不思議なことに、これらの細胞はどれも同じDNA(同じ設計図)をもっています。違うのは、その設計図の「どの部分を使い、どの部分を使わないか」です。 この"使う・使わない"を切り替える仕組みのひとつが、DNAメチル化です。DNAの特定の場所に「メチル基」という小さな目印がつくと、その近くの遺伝子は読み取られにくくなり、スイッチが「オフ」に近づきます。逆に目印が外れれば、スイッチは「オン」に近づきます。 このように、遺伝子の配列そのものは変えずに、その働き方を調整する仕組みを「エピジェネティクス」、日本語で「後成的(こうせいてき)な制御」と呼びます。少し聞き慣れない言葉なので、名前の由来にふれておきましょう。 「エピジェネティクス」は、ギリシャ語で「上に」「後から」を意味する接頭語「エピ(epi)」と、遺伝を意味する「ジェネティクス(genetics)」を組み合わせた言葉です。つまり、生まれつき決まっている遺伝子の設計図の"上に"重なり、その"後から"働き方を調整する仕組み、という意味合いをもっています。日本語の「後成的」も、遺伝子配列という先天的な土台に対して、その「後」から加わって遺伝子の働きを形づくる制御である、という点を表しています。設計図そのもの(先天的なもの)ではなく、その設計図の読み方を後から書き加える"付せん"のようなもの、とイメージするとわかりやすいかもしれません。 DNAメチル化は、この後成的な制御の代表的な仕組みのひとつです。同じ設計図をもつ細胞が多様な役割を担えるのも、私たちの体が環境に応じて柔軟にはたらけるのも、この巧みなスイッチ調整のおかげです。 メチル化のパターンは、年齢とともに変化する このDNAメチル化のパターンは、生涯を通じて一定ではありません。加齢とともに、少しずつ、しかし規則的に変化していくことが知られています。 大きな傾向としては、DNA全体では目印が減っていく一方で、特定の場所ではかえって目印が増えていく、といった変化が積み重なっていきます。こうした変化は、遺伝子のスイッチの入り方に少しずつずれを生じさせ、細胞のはたらきが年齢とともに変わっていく背景のひとつと考えられています。 重要なのは、この変化が"でたらめ"ではなく、ある程度予測できるパターンをもって進む、という点です。だからこそ、メチル化のパターンを読むことで、その人の体が生物学的にどれくらいの年齢に相当するのかを推定できる——という発想が生まれました。 メチル化で年齢を測る——「エピジェネティック・クロック」 このアイデアを形にしたのが、「エピジェネティック・クロック(後成的な時計)」です。 2013年に報告された研究では、体のさまざまな組織のDNAメチル化のパターンから、その人の年齢を高い精度で推定できる仕組みが示されました[1]。多数の組織・細胞のデータをもとに、メチル化のパターンを"時計の針"のように読み取り、生物学的な年齢を数値として算出できることが確かめられたのです。 ここで大切なのは、暦の上の年齢(暦年齢)と、体の状態を映す「生物学的年齢」は必ずしも一致しない、という点です。暦年齢は誰にとっても一年に一歳ずつ進みますが、メチル化から読み取られる生物学的年齢は、人によって暦年齢より進んでいたり、遅れていたりします。この「ずれ」こそが、老化研究で注目されている手がかりです。暦年齢と生物学的年齢の違いという入口については老化時計とは何かで、クロックという測定の枠組みについてはエピジェネティック・クロックで、そして測定方法の全体像は生物学的年齢はどう測るでくわしく解説しています。 生活習慣とエピジェネティクス——変えられる部分もある DNAの配列は変えられませんが、その上に乗るメチル化の"目印"は、環境や生活習慣の影響を受けうる、より動的な仕組みだと考えられています。 これまでの研究では、食事・運動・睡眠・喫煙・慢性的なストレスといった生活習慣と、メチル化のパターンや生物学的年齢の進み方との「関連」が指摘されています。たとえば喫煙は、特定の場所のメチル化の変化と結びつくことが繰り返し報告されています。 ただし、ここは慎重にお伝えしたい点です。「関連が指摘されている」ことと、「生活を変えれば生物学的年齢が確実に若返る」ことは、同じではありません。メチル化と老化の関係はまだ研究が進められている途上であり、どの程度"戻せる"のかも含めて、わかっていないことが多く残されています。過度な期待をあおる情報には注意しつつ、まずは食事・運動・睡眠・禁煙といった、体の土台を整える基本を大切にすることが、現時点で確かな向き合い方だと考えられます。 「同じ年齢でも、体はこんなに違う」——救急医の視点から 私は銀座数寄屋橋クリニックの院長を務める前、約20年にわたり国立の医療機関で救急医として勤務し、延べ約36,000人の患者さんの診療にあたってきました。 救急の現場でくり返し実感したのは、「暦の年齢だけでは、体は測れない」ということです。同じ年齢の方でも、大きな病気やけがからの回復力、体の"底力"がまるで違う。カルテに書かれた年齢が同じでも、目の前の体の状態はひとりひとり大きく異なりました。 この「同じ年齢でも違う」を、細胞の遺伝子レベルで説明しようとする試みのひとつが、DNAメチル化から読む生物学的年齢です。暦年齢という一律のものさしではなく、その人自身の体の状態を映す指標に目を向ける——こうした視点は、これからの予防やアンチエイジングの考え方において、ますます大切になっていくと感じています。当院でも、こうした生物学的年齢の指標に着目しながら、体の土台づくりを見つめています(研究的な視点にもとづくものであり、結果には個人差があります)。 まとめ DNAメチル化は、遺伝子の配列そのものではなく、その"使われ方"(スイッチのオン・オフ)を調整する仕組みで、エピジェネティクスの代表的なはたらきのひとつです。 メチル化のパターンは加齢とともに規則的に変化します。この変化を読み取ることで、体の「生物学的年齢」を推定する「エピジェネティック・クロック」が2013年に報告され、暦年齢との"ずれ"が老化研究で注目されています。 食事・運動・睡眠・喫煙・ストレスとメチル化の「関連」は指摘されていますが、「変えれば必ず若返る」とはいえません。研究途上であることを踏まえ、まずは体の土台を整える基本を大切にすることが現実的です。 DNAメチル化は、変わらない設計図の上で、体の"今"を静かに刻んでいく仕組みです。暦の年齢だけにとらわれず、自分の体の状態そのものに目を向けること——それが、これからの若々しさとの向き合い方の入口になると考えられます。 当院が行うストレスフリー療法も、生物学的年齢の指標に着目しながら、穏やかな温熱刺激を通じて体の土台を支えることを目指す取り組みです(研究知見にもとづく予備的なもので、はたらき方には個人差があります)。その科学的な考え方についてはストレスと老化の科学で解説しています。 細胞レベルの若々しさや生物学的年齢にご関心のある方は、施術の流れや費用をまとめた当院のメニュー・料金ページもあわせてご覧ください。 よくある質問 Q. DNAメチル化と遺伝子の変異(突然変異)は、どう違うのですか? A. 遺伝子の変異は、DNAの文字の並び(配列)そのものが変わることです。一方、DNAメチル化は配列は変えずに、その遺伝子が「使われるか・使われないか」を調整する仕組みです。設計図そのものを書き換えるのが変異、設計図の読み方を切り替えるのがメチル化、とイメージするとわかりやすいかもしれません。 Q. 生活習慣を変えれば、DNAメチル化から測る年齢は若返りますか? A. 食事・運動・睡眠・禁煙などとメチル化のパターンとの「関連」は報告されていますが、「変えれば必ず生物学的年齢が若返る」と断定できる段階ではありません。メチル化と老化の関係は研究が進められている途上です。過度な期待は禁物ですが、体の土台を整える生活習慣そのものは、健康を支えるうえで確かな意味をもちます。 Q. 暦の年齢と「生物学的年齢」は、なぜずれるのですか? A. 暦年齢は誰でも一年に一歳ずつ進みますが、体の老化の進み方は、体質・生活習慣・環境などによって人それぞれ異なります。DNAメチル化から読む生物学的年齢は、こうした体の状態の違いを反映するため、暦年齢より進んでいたり遅れていたりする「ずれ」が生じます。この考え方は老化時計とは何かでもくわしく解説しています。 参考文献 Horvath S.「DNA methylation age of human tissues and cell types」(2013年、Genome Biology, 14(10):R115)— 多数の組織・細胞のDNAメチル化データをもとに、メチル化パターンから年齢を高い精度で推定する多組織対応の予測モデル(エピジェネティック・クロック)を示した研究。doi:10.1186/gb-2013-14-10-r115. 出典 ※上記の研究知見は生物学的年齢の推定に関する枠組みを示すものであり、特定の治療や生活習慣による若返りを保証するものではありません。老化の進み方や測定結果には個人差があります。 本記事は健康に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の検査・治療・製品の効果を保証するものではありません。健康に関する不安がある場合は医療機関にご相談ください。体の状態には個人差があります。
「身長が少し縮んだ気がする」「背中が丸くなってきた」「つまずいて手をついたら、思いのほか簡単に骨折してしまった」——年齢を重ねると、こうした骨にまつわる変化を感じることがあります。その背景の一つに、骨の"静かな目減り"があります。 骨というと、硬くて変わらない"体の柱"のように思われがちです。けれども実際には、骨は生きた組織で、たえずつくり替えられています。加齢とともにこのつくり替えのバランスが崩れ、骨の密度や強さが落ちていく——これが「骨の老化」です。 この記事では、そもそも骨密度とは何なのか、なぜ加齢で骨は弱くなるのか、そしてどう見分け、どう土台をつくればよいのかを、できるだけわかりやすく解説します。 骨密度とは——骨は生きて入れ替わっている 骨密度とは、骨のなかにカルシウムなどのミネラルがどれだけ詰まっているかを示す、骨の"中身の詰まり具合"の指標です。これが高いほど骨は強く、低いほどもろくなります。 意外に思われるかもしれませんが、骨は一生を通じて、古い骨を壊す「破骨細胞(はこつさいぼう)」と、新しい骨をつくる「骨芽細胞(こつがさいぼう)」が働き、少しずつ入れ替わり続けています。これを骨の「リモデリング(改築)」と呼びます。若い頃は、つくる働きが壊す働きに追いつき、骨はしっかりと保たれます。 骨量(骨の量)は、20代あたりで生涯の最大値(最大骨量)に達し、その後は加齢とともにゆるやかに減っていきます。何もしなければ、この減少のペースは年齢とともに上がっていきます。骨密度の低下は、見た目ではわかりにくく、痛みもないまま静かに進むのが特徴です。 なぜ加齢で骨は弱くなるのか 加齢で骨がもろくなる背景には、いくつかの要因が重なっています。 最も大きいのが、ホルモンの変化です。とくに女性では、更年期を境にエストロゲンが大きく減ります。エストロゲンには骨を守る働きがあるため、その減少は骨密度の低下を早めると考えられています。実際に、性ホルモンの不足が、男女ともに加齢にともなう骨量減少の主要な原因になるという枠組みが示されています[1]。女性ホルモンの変化についてはエストロゲンと女性の加齢でくわしく解説しています。男性でも、加齢とともに骨は緩やかに弱くなり、その背景には成長ホルモンや性ホルモンの変化が関わります。 次に、運動(骨への荷重)の不足です。骨は、体重や運動で負荷がかかると、それに応えて強くなろうとします。逆に、使わない骨は減っていきます。 さらに、栄養の不足、とりわけカルシウムとビタミンDの不足も関わります。ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きがあり、日光を浴びる機会が少ないと不足しやすくなります。骨密度が大きく低下し、骨折しやすくなった状態は「骨粗しょう症(こつそしょうしょう)」と呼ばれます。 骨と筋肉——支え合う「動く土台」 骨は、単独で体を支えているわけではありません。骨に付着した筋肉が縮むことで、骨には日々刺激が伝わり、その刺激が骨を強く保つ助けになります。 つまり、骨と筋肉は「動く土台」として支え合っています。加齢で筋肉が減るサルコペニアが進むと、骨への刺激も減り、さらに転びやすくなって骨折のリスクが高まります。骨と筋肉は、いわば車の両輪です。「骨だけ」「筋肉だけ」ではなく、両方の土台を一緒に整える視点が、動ける体を長く保つうえで役に立ちます。 見直せること——骨の土台づくり では、骨の老化に対して、日々できることは何でしょうか。特別なことではありませんが、いずれも骨の強さを支える土台になります。 第一の土台は、骨に体重をかけるです。ウォーキングや、軽く飛ぶ・階段を使うといった、骨に適度な荷重がかかる運動は、骨を保つ助けになります。筋力をつける運動も、転倒予防と骨への刺激の両面から大切です。 第二の土台は、カルシウムとビタミンDです。乳製品・小魚・大豆製品・青菜などからカルシウムをとり、適度に日光を浴びてビタミンDを補います。骨の材料になるたんぱく質も欠かせません。ただし、サプリメントで極端に補うことは、かえって体に負担になる場合があります。持病のある方や薬を飲んでいる方は、自己判断で増やさず、医師に相談してください。 第三に、骨密度を知ること。骨の減り方は自覚しにくいため、気になる年代になったら、DXA(デキサ)などの骨密度検査で自分の状態を知っておくことが、早めの土台づくりにつながります。 「折れない体」を守る——救急医の視点から 私は銀座数寄屋橋クリニックの院長を務める前、約20年にわたり国立の医療機関で救急医として勤務し、延べ約36,000人の患者さんの診療にあたってきました。 救急の現場では、ご高齢の方が転んで大腿骨などを骨折し、そこから寝たきりに近づいていく——その入り口に、骨のもろさ(骨粗しょう症)があるケースを数えきれないほど見てきました。若い人ならなんでもない転倒でも、骨が弱くなっていると簡単に折れてしまう。そして一度の骨折が、その後の生活を大きく変えてしまうことも少なくありません。 だからこそ私は、「折れない体」を軽く見ません。骨は、命と生活の質を静かに支える"土台"そのものです。そしてこの土台は、痛みもなく減っていくからこそ、早めに気づき、手をかける価値があります。年齢を理由に諦めるのではなく、動いて、食べて、必要なら検査で自分の骨を知る——その積み重ねが、将来の自立を支えるのだと、現場から確信しています。 まとめ 骨は生きた組織で、古い骨を壊す働きと新しい骨をつくる働きが入れ替わり続けています。骨量は20代でピークを迎え、その後は加齢とともにゆるやかに減っていきます。 加齢で骨が弱くなる背景には、ホルモン(とくにエストロゲンや性ホルモン)の変化、運動・荷重の不足、カルシウムやビタミンD・たんぱく質の不足が重なります。大きく低下した状態が「骨粗しょう症」です。 骨に体重をかける運動・カルシウムとビタミンD・たんぱく質が土台づくりの基本。骨と筋肉は支え合う「動く土台」なので、両方を一緒に整えるのが有効です。気になる年代では骨密度検査で自分の状態を知っておきましょう。 骨の老化は、痛みもなく静かに進む加齢の一面です。けれども、骨は生きて入れ替わる組織であり、動かし、食べ、知ることで土台を支えることができます。この当たり前の積み重ねこそが、「折れない体」と動ける未来を守る近道だと考えられます。 当院が行うストレスフリー療法も、穏やかな温熱刺激を通じて末梢の血流を高め、体の土台を支えることを目指す取り組みです(研究知見にもとづく予備的なもので、はたらき方には個人差があります)。その科学的な考え方についてはストレスと老化の科学で解説しています。 細胞レベルの若々しさと体の土台づくりにご関心のある方は、施術の流れや費用をまとめた当院のメニュー・料金ページもあわせてご覧ください。 よくある質問 Q. 骨密度は何歳ごろから下がり始めますか? A. 骨量は20代あたりで生涯の最大値を迎え、その後はゆるやかに減っていくと考えられています。とくに女性では、更年期を境にエストロゲンが減ることで低下のペースが上がりやすくなります。進み方には個人差が大きく、運動習慣や栄養状態、体質が影響します。年齢だけで決まるものではありません。 Q. カルシウムのサプリメントをたくさんとれば骨は強くなりますか? A. カルシウムは骨の大切な材料ですが、多くとれば骨が強くなるという単純なものではありません。吸収を助けるビタミンD、材料になるたんぱく質、骨に刺激を与える運動といった土台があってこそ働きます。サプリメントで極端に補うと、かえって体に負担になる場合があるため、持病や服薬がある方は自己判断で増やさず、医師に相談してください。 Q. 骨密度が心配です。検査は受けたほうがよいですか? A. 骨密度の低下は自覚しにくいため、気になる年代(とくに女性の更年期以降)になったら、DXAなどの骨密度検査で自分の状態を知っておくことは、早めの土台づくりに役立ちます。過去に軽い転倒で骨折した、身長が縮んだ、家族に骨粗しょう症の方がいるといった場合は、一度医療機関で相談することをおすすめします。 参考文献 Riggs BL, Khosla S, Melton LJ 3rd.「Sex steroids and the construction and conservation of the adult skeleton」(2002年、Endocrine Reviews, 23(3):279–302)— エストロゲンを骨量維持のかぎとなるホルモンと位置づけ、性ホルモンの不足が男女ともに加齢にともなう骨量減少の主要な原因になるという統一的な枠組みを示したレビュー。doi:10.1210/er.23.3.279. 出典 ※上記の研究知見は加齢と骨をめぐる枠組みを示すものであり、すべての方に同様の経過を保証するものではありません。骨の減り方や骨折のしやすさには個人差があります。 本記事は健康に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の検査・治療・製品の効果を保証するものではありません。運動・栄養の始め方や持病がある場合は医療機関にご相談ください。体の状態には個人差があります。
「排水口にたまる髪が増えた」「分け目が目立つようになった」「髪にコシがなくなり、細くなった気がする」——年齢を重ねると、こうした髪の変化を感じることがあります。抜け毛や薄毛は、多くの方が静かに抱える身近な悩みです。 髪の悩みというと「遺伝だから仕方ない」と考えられがちですが、その背景には、毛が生まれ変わる「毛周期(もうしゅうき)」の乱れがあり、そこには頭皮の血流やホルモンの変化が深く関わっています。 この記事では、そもそも抜け毛・薄毛はなぜ起こるのか、血流やホルモンがどう関わるのか、そして見直せる生活習慣や、ときに受診を考えたほうがよいサインまでを、できるだけわかりやすく解説します。 髪はどう生え替わるのか——「毛周期」という仕組み 髪の毛は、一本一本が「成長期→退行期→休止期」という周期を繰り返しながら、たえず生え替わっています。これを毛周期(ヘアサイクル)と呼びます。 健康な頭皮では、多くの毛が数年にわたる「成長期」にあり、しっかりと太く長く伸びます。やがて成長が止まって抜け落ち、また新しい毛が生まれてくる——この入れ替わりのおかげで、髪全体のボリュームは保たれています。一日に数十本から百本程度が自然に抜けるのは、この周期の一部で、心配のいらないものです。 薄毛や目立つ抜け毛は、この毛周期のバランスが崩れた状態です。成長期が短くなって毛が十分に育たないうちに抜けたり、休止期に入る毛が増えたりすると、髪は細く、短く、まばらになっていきます。問題は「抜けること」そのものよりも、「太く育つ前に周期が乱れること」にあるのです。 血流と髪——毛根に「めぐり」が届くということ ここが、この記事の中心です。 髪をつくっているのは、毛根の奥にある「毛母細胞(もうぼさいぼう)」です。この細胞が活発に分裂して、髪は伸びていきます。細胞が働くには、酸素と栄養が欠かせません。それを運んでいるのが、毛根を取り巻く細い血管——毛細血管のめぐりです。 つまり、頭皮の血流は、髪を育てる「補給路」にあたります。実際に、男性型の薄毛では、髪が抜けていく前頭部の頭皮で、毛の残っている側頭部にくらべて組織の酸素レベルが低く、微小循環(細い血管のめぐり)が相対的に不足しやすいことが報告されています[1]。血流の滞りが薄毛の"すべての原因"というわけではありませんが、髪の土台を支える要素の一つであることは確かです。 頭皮は体のなかでも末端に近く、冷えやストレス、長時間の緊張などでめぐりが滞りやすい場所でもあります。頭皮が硬くこわばっていると感じるとき、その下のめぐりも十分でないことがあります。 ホルモンの影響——男性型・女性型それぞれの背景 血流とならんで、抜け毛・薄毛に大きく関わるのがホルモンです。背景は男女で少し異なります。 男性に多い「男性型脱毛症(AGA)」では、男性ホルモンが頭皮で変化してできる物質が、前頭部や頭頂部の毛周期を短くする方向にはたらくと考えられています。加齢にともなう男性ホルモンの全身的な変化については男性更年期(LOH)でくわしく解説しています。 女性の場合は、加齢や更年期にともなうエストロゲンの減少が関わることがあります。エストロゲンには髪の成長期を保つ方向のはたらきがあると考えられており、そのゆらぎが、髪全体が薄くなる「びまん性」の変化として現れることがあります。女性のホルモンの変化についてはエストロゲンと女性の加齢をご覧ください。 このように、抜け毛・薄毛は「血流」と「ホルモン」という複数の背景が重なって進むもので、原因は一つではありません。だからこそ、土台を幅広く整える視点が役に立ちます。 見直せること——髪の土台を支える生活 では、抜け毛・薄毛に対して、日々できることは何でしょうか。特別なことではありませんが、いずれも髪が育つ土台を支える基本です。 第一に、頭皮のめぐりを助けること。やさしい頭皮マッサージ、体を冷やしすぎない工夫、湯船で体を温めるなど、末端のめぐりを支える方向にはたらきます。ゴシゴシと強く洗うのではなく、頭皮をいたわる洗い方を心がけます。 第二に、栄養の土台です。髪はたんぱく質からできており、極端な食事制限は毛周期に影響しやすいことが知られています。バランスのよい食事を基本に、無理なダイエットを避けることが大切です。 第三に、睡眠とストレスケア。髪の成長は睡眠中の体の回復と切り離せません。強いストレスや睡眠不足は、めぐりやホルモンのバランスを通じて毛周期に影響します。 なお、薄毛・抜け毛には、医学的に確立した治療の選択肢もあります。市販の育毛剤やサプリメントを自己判断で選ぶ前に、まずは皮膚科などの専門医に相談し、自分のタイプに合った方法を確認することをおすすめします。 こんな抜け毛は受診を——見逃したくないサイン 加齢にともなう緩やかな薄毛の多くは、生活の見直しや適切なケアで向き合えるものです。しかし、なかには注意が必要な抜け毛もあります。次のような場合は、自己判断せず、皮膚科などの医療機関を受診してください。 円形や帯状に、部分的にごっそり抜ける(急に境界のはっきりした脱毛が現れた) 短期間に、髪全体が急激に大量に抜ける(高熱・大きな病気・出産・強いストレスのあとなど) 頭皮に強いかゆみ・赤み・湿疹・かさぶた・痛みを伴う、または抜けたあとに皮膚がひきつれる 抜け毛に加えて、強い倦怠感・体重の変化・むくみ・動悸・月経の乱れなど全身の症状を伴う これらは、単なる加齢性の薄毛ではなく、円形脱毛症や頭皮の病気、甲状腺の異常、貧血、栄養障害など、別の原因が背景にある可能性を示すサインのことがあります。早めに専門医に相談することで、原因に応じた対応につながります。 髪を「全身の一部」として診る——救急医の視点から 私は銀座数寄屋橋クリニックの院長を務める前、約20年にわたり国立の医療機関で救急医として勤務し、延べ約36,000人の患者さんの診療にあたってきました。 救急や重症の現場では、髪や皮膚の変化が、全身の状態を映す"窓"になることをたびたび経験しました。急激な抜け毛の背景に甲状腺の異常や重い貧血が隠れていたり、大きな病気やひどい栄養状態のあとに、時間を置いて髪がごっそり抜けたり——髪は、体全体のコンディションを静かに映し出します。 だからこそ私は、抜け毛や薄毛を「見た目だけの問題」とは考えません。その多くは加齢やホルモン、生活習慣によるありふれたものですが、「急に」「部分的に」「全身の不調をともなって」現れるときには立ち止まる。髪を全身の一部としてとらえ、めぐりと体の土台から見直していく——その視点が、現場で身についた習慣です。 まとめ 抜け毛・薄毛は、髪が生え替わる「毛周期」のバランスが崩れ、毛が太く育つ前に抜けてしまう状態です。原因は一つではなく、血流・ホルモン・生活習慣などが重なります。 髪をつくる毛母細胞は、毛根をめぐる血流から酸素と栄養を受け取っています。男性型の薄毛では、抜けていく部分の頭皮で微小循環が相対的に不足しやすいことが報告されています。ホルモンの変化も男女それぞれに関わります。 頭皮のめぐりを助ける・栄養と睡眠の土台を整える・強いストレスをためこまない、が基本です。ただし円形の脱毛、急激な大量の抜け毛、頭皮の炎症、全身症状を伴うときは受診を。医学的な治療の選択肢もあるため専門医への相談を。 髪の変化は、体の「めぐり」と土台からのサインでもあります。頭皮を冷やさずいたわり、栄養と休息をととのえることが、髪の育ちやすい土台づくりの近道だと考えられます。 当院が行うストレスフリー療法も、穏やかな温熱刺激を通じて、滞りがちな末梢の血流を高め、体の土台を支えることを目指す取り組みです(研究知見にもとづく予備的なもので、はたらき方には個人差があります)。その科学的な考え方についてはストレスと老化の科学で解説しています。 血流やめぐりの土台づくりにご関心のある方は、施術の流れや費用をまとめた当院のメニュー・料金ページもあわせてご覧ください。 よくある質問 Q. 一日にどれくらい抜けると心配ですか? A. 髪は毛周期の一部として自然に抜けており、一日に数十本から百本程度は正常範囲と考えられています。本数そのものよりも、「短期間に急に増えた」「髪が細く短くなってきた」「分け目や地肌が目立つようになった」といった変化のほうが手がかりになります。気になる変化が続く場合は専門医にご相談ください。 Q. 頭皮マッサージやブラッシングで薄毛は改善しますか? A. やさしい頭皮マッサージは、こわばった頭皮のめぐりを助ける方向にはたらくと考えられますが、それだけで薄毛が確実に改善するわけではありません。血流・ホルモン・生活習慣といった背景を幅広く整える土台づくりの一つとして位置づけるのが現実的です。強くこすりすぎると逆に頭皮を傷めるため、力加減には注意してください。 Q. 女性ですが、髪全体のボリュームが減ってきました。原因は何が考えられますか? A. 女性の薄毛には、加齢や更年期にともなうホルモンのゆらぎ、鉄分などの栄養不足、甲状腺の異常、強いストレスや無理なダイエットなど、さまざまな背景が関わることがあります。原因によって対応が異なるため、自己判断で市販品に頼る前に、皮膚科や婦人科などで相談し、背景を確かめることをおすすめします。 参考文献 Goldman BE, Fisher DM, Ringler SL.「Transcutaneous PO2 of the scalp in male pattern baldness: a new piece to the puzzle」(1996年、Plastic and Reconstructive Surgery, 97(6):1109–1116)— 男性型脱毛症では、毛が抜けていく前頭部の頭皮で経皮酸素分圧が低く、毛の残る側頭部にくらべて微小循環が相対的に不足しやすいことを示した研究。doi:10.1097/00006534-199605000-00003. 出典 ※上記の研究知見は特定の集団を対象としたものであり、すべての方に同様の状態を保証するものではありません。薄毛・抜け毛の背景や進み方には個人差があります。 本記事は健康に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の検査・治療・製品の効果を保証するものではありません。気になる症状がある場合は医療機関にご相談ください。体の状態には個人差があります。